津軽笛の真骨頂


​昨日は神楽坂の北のプレミアムフード館で朗読とのライブ。今回多大なるご協力をいただいた清藤社長はじめスタッフの皆様ありがとうございました。

最近ご一緒する機会の多い、元福島中央テレビアナウンサーの中村雅子さんと共演でした。

神楽坂はお祭りの準備が行われいました。

さて、今回の演目は

太宰治の

黄金風景

とみなさんご存知

走れメロス

中村さんの魂のこもった素晴らしい朗読にのせられ僕の笛にも気持ちが入りました。

でも、決して大きな会場ではないので、津軽笛の特徴の一つである

大きくて飛ぶ音色

は使えない。

ががーん。

でも、津軽笛の真骨頂を僕が改めて知る機会にもなりました。

それは何?

 

 

少しもったいぶらせてください(笑)

さて、真骨頂の話を紐解くためには津軽笛の話を。

登山囃子は、上手なだけだとダメなんです。

 

津軽笛の世界では

「上手だけど良くない

という格言があります。上手ならいいじゃない! 上手なのに良くない

 

僕の本分とするお山参詣の囃子は今は

登山囃子

下山囃子

の2曲

その2曲だけで囃子方No1を決める競演大会が70年以上前から続いています。

たった5分足らずの演奏に全精力を注ぎます。
同じ曲をみんなやっているのにどこで順位を決めてるの?

という質問を良く聞きますが、

結局は

基本的なところがキチンとやれるかと、その基本を応用し音で絵を描く力があるか?

だと思うんです。

基本的なところって

 

 

 

  • 安定した音色

 

  • 飛ぶ音(遠音のさすおと)

 

  • 打ち指

 

  • 笛、鉦、太鼓の調和

 

  • 曲の理解

 

  • 強い心(笑)

 

 

だと思います。

 

上記が出来たら登山囃子コンテストの一般の部の竹組では必ず優勝できます!

 

 

 

 

 

 

 

 

このあとランクが上がり松組になった時は

 

 

「岩木山 佐藤ぶん太」の画像検索結果

岩木山って良いなぁ

 

 

っていかに思ってもらえる演奏ができるかなんです。

自分たちの演奏で岩木山を表現する。

 

 

 

簡単なことではありませんがそこが重要です。

 

曲を演奏して自分を表現する。。。

 

 

ということではないのです。逆に自分のカラーを出そうとすると「良くない」

出てきました。今日のキーワード「良くない」

 

 

 

何故良くないか。 それは3つ理由があります。

1.自分が演奏する時点で自分なりの解釈がすでにされている。

「色眼鏡でみると見えないもの」の画像検索結果すべてのものは自分の心の色眼鏡を通して見ていてそれをそのまま克明に伝えたつもりでも、ほぼそうはなっていません。だからそれ以上のことをすると僕はそれはクドいのではと思うのです。
人と違うことをやろうではなく自分で本当に良いものを伝えようと思ったら、すでに自分の色になっていると思うのです。

 

 

 

 

 

2.何かを使って自分を表現する=自己表現のための過剰なテクニックの披露

「志」の画像検索結果僕こんなにできます!すごいでしょ!!っていうのを「ひけらかす」ために演奏するので、どうしても曲の表現ではなく、その中でのテクニックの表現と自己主張になってしまいます。断片的に熱い思いなどをテクニックで入れるのは賛成ですが、難しい曲をやったことへの賛辞は業界内だけでされるもので、一般のリスナーには「ただの自己満足じゃん」ってなってしまうことがほとんど。 形ある見えやすいものにとらわれず、本質の部分(魂)を伝えるのが大事。

 

 

 

 

 

 

3.会話に置き換えてみよう

「自分のことばかり話す人」の画像検索結果

シンプルなほど言葉に説得力がある。

色々な語句を覚えこれ見よがしに専門的な言葉を並べてもうまく伝わらないことが多いですよね。

キザなセリフを並べるより一言「好き」って言われたい人って多いのではないでしょうか?

自分を魅せたい>人に伝えたい
になってしまうとだいたいキザになってしまうような気がします。見た目の難しい曲ばかり挑戦するのではなく、一曲に集中して人に伝わる音色の使い分けや、間のとり方などを丁寧にやることで、シンプルな演奏ほど説得力がある。ものになっていくような気がします。

 

 

 

今の僕は「人に伝える」ことを喜びとし、自分で良いと思ったものを伝えたいという信念で活動しています。そこにはもう僕の個性があり、それ以上の自己主張はいらないよね。

 

 

 

 

でも昔は、よく先輩方に

 

 

「お前は上手かもしれないけど味がない!」

 

 

とよく言われました。それは

登山囃子を演奏して自分を表現する。。。

以外の何物でもありませんでした。あゝ勘違い野郎。そこから自分と向き合い表現する方向性を変えていきました。

 

 

結果的に同じ曲を吹き続けることで、

  • 基礎力を鍛え、

  • 表現方法の引き出しを作り、

  • 共感してもらえる演奏をフレキシブルに出せるようになる。

  • そのプロセスを知ると、すべての曲に共通するので、いろいろな曲で良い演奏が出来るようになる。

だから、自分の物差しとして一曲に継続的に取り組むことってほんと重要だと思うのです。

 

 

 

「ぶん太、さんの音からは情景が見える」

 

と言われるその時、僕はこの上ない喜びを感じます。

 

 

 

 

 

それは、岩木山の素晴らしさを伝えたい一心で吹き続け自分たちの演奏で岩木山を表現する事を紆余屈折しながらもやってきたことが今につながっています。

 

 

 

 

今回のライブは朗読を通してメロスの世界を広げることが僕にとってのテーマ。それが公演後お客様からの感想を聞くとすこしはできるようになってきなのかもと思いました。

 

 

伝えたいと思った結果、津軽笛の「同じ曲を吹き続ける」ことで得た

 

 

 

 

自分たちの演奏で岩木山を表現する。

 

 

 

真骨頂が出たのだと思います。

 

 

 

先輩方に「味がない」と言われ、自分と向き合う覚悟をして進んでおりますが現在まだ道半ばで未熟者の私。しかし、僕は津軽笛と出会ったおかげでほんとたくさんの学びを得ました。

 

 

 

 

これは津軽笛に限ったことではなく、みなさんの地元に残る文化や郷土芸能、食は

「流行り廃れ」ではなく、普遍的に評価されてきた=人々の心に響いてきた

 

 

 

ものばかりです。 みなさんも地域の伝統に触れてみてください。

きっと心揺さぶられる何かがあるはずです!!
追伸:早速地元紙に掲載されたようです。